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コラム6:カウンセリング【毒親・アダルトチルドレン】
- 2021.10.10
- 近年では〝毒親〟〝アダルトチルドレン〟というワードを耳にされた方も、少なくないのではないでしょうか。
人の成長過程に密接に関係しており、自立に深く関係しています。
10月のコラムでは、毒親・アダルトチルドレンについて深掘りして紹介いたします。
初めに〝人の成長過程〟についてご紹介します。
人の性格や人格形成について、生まれつきの性格や遺伝によって性格や人格形成がされる事はありません。
幼少期から子供時代、思春期にかけて20歳くらいまでの環境が密接に関係しています。
20歳くらいまでの環境となると、親からの影響がとても関係しています。
親と性格が似ていると思われる事も少なくないのは、親の言動を身近で影響を受けている事が要因で専門用語として〝潜在意識〟と呼ばれています。
わかりやすくお伝えすると、肯定的表現の親からは肯定的人格が形成されやすいです。
否定的表現の親からは否定的人格が形成されやすくなります。
全てではありませんが、後者が毒親の要素を持っており子供に対して悪影響を及ぼします。
毒親を別の表現にすると、家庭内又は親子間パワーハラスメント・家庭内又は親子間モラルハラスメントなのです。
幼少期や子供時代は「親が間違っている?」と疑う事はほぼありません。もしろ「親の言動は正しいものだ」と信じている事が前提です。
それでは親の否定的表現を深掘りしていきます。毒親の特徴は、子供に対して評価を極端に低く見積もります。主に次の3つがあります。
■毒親の特徴
① 何もできない子だと指摘する。支配的言動を含む。
できている事を褒められる事なく、重箱の隅をつつくように些細な事を指摘する。指摘する事で支配的な関係性となる。
② 人格を否定する。
存在自体を否定するようにパワーハラスメントの典型的な例でもある。
③ 攻撃的な言動。
攻撃性を持った言動の為、反抗や抵抗ができない前提となる。
これらを幼少期から子供時代、思春期にかけての成長期に受け続ける事は大きな心の傷となります。
しかしながら親の愛情を受けたい気持ちが存在する為、毒親だと気付く事はできません。
更にパワーハラスメントやモラルハラスメントと同様に、毒親の言動は無意識に行われている事で理解ができないのです。
悪意を持って行われていない事と、何よりも辛い事は周囲の人にも理解されない事です。
周囲の人には、まさか親が子供に対してハラスメントを継続的に起こしているとは想像を絶する事です。
周囲の人に相談した時「親の事を悪く言ってはいけないよ」と一般論での返答は、毒親の影響を受けている当人にとっては二次被害として更に心に傷を負います。
二次被害も含め毒親の影響を受けて育った人を、アダルトチルドレンと呼ばれています。
親との関係性は本来であれば、いっぱい愛情を注がれたり、やんちゃを言ったり我がままを聴いてもらい「自分自身を受け入れてもらえた」や「自分自身は大切な存在なんだ」と成長を養っていくものです。
それらとは対照的に、アダルトチルドレンと呼ばれる影響で主に次の3つの状態に陥る事があります。
■アダルトチルドレンの特徴
(1) 自己肯定感が低くなり、自己否定感を強く抱く。
自分自身でも自己評価を低く見積もる。
(2) 自尊心が乏しくなる。自分自身の意思が薄く自立心が乏しくなる。
親の顔色を窺う事が染みついており、他人の機嫌など顔色を窺う。
自分自身の意思は二の次であったり、本当は自分がどうしたいのか(本心)がわからなくなる。
(3) 完璧主義になりやすい。
どれだけ成果を出しても褒められた事がなく指摘をされてきた影響で、100%を目指しやすくなります。たえず全力疾走をしたり、良い事は受け入れ悪い事は排除する〝取捨選択〟が不得意になりやすいです。
簡単にまとめたものでも、これ程までに辛い状況は一目瞭然です。
それでは毒親の影響を受けて、アダルトチルドレンとなった場合の対処法についてご紹介します。
■対処法
[1] 親との切り離し
残念ではありますが、親から愛情を受けたいお気持ちを払拭してください。
関わらない事が最大の良薬です。
一人暮らしをするなど親との関係性を絶つ事で自立に繋がります。
連絡も取らない事を徹底できると効果も上がります。
[2] 自分の意思確認
他人の顔色を窺うのではなく、自分の意思はどうしたいのかを確認していく。
[3] 完璧主義からの脱却
6割~8割程度で大丈夫。ある程度できていれば大丈夫だと自己評価を与える事が大切です。
取捨選択もキーワードになります。
当カウンセリングルームでのご相談内容でも、毒親・アダルトチルドレンに加え、その影響が要因となり現在のお悩みが生じている方を含めますと40%弱の割合に上ります。
現実的にも〝毒親〟の影響でお悩みになっている方は少なくありません。
上記を参考のもとお一人で解決が困難な場合には、カウンセリングを選択肢としてお考えくださると幸いです。
あなたらしい人生、本来のあなたの姿、あなたの自由と自立を専門家として心から応援しております。
コラム6:カウンセリング【毒親・アダルトチルドレン】
心理カウンセラー、研修会・セミナー講師、コーチング
澤田 和彦