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コラム10:カウンセリング【モラハラ夫】
- 2022.05.10
- ご夫婦の問題で、ご相談をお受けする事が多くあります。
ご夫婦でのご相談で最も多いのは、離婚問題です。
離婚が認められるケースとして挙げられるのは、主に次の4つです。
(1) DVといった暴力
(2) 不倫などの不貞行為
(3) ギャンブルによる借金問題や生活費を渡さない金銭問題
(4) 勝手に家を出ていくなどの「悪意の遺棄」
もう一つ忘れているものがあるのではないかと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「モラハラ夫」と呼ばれている、夫がモラルハラスメント加害者だというケースです。
モラハラ夫の証明について、DVや不貞行為と異なり証拠集めをする事が難しい現実もあります。
モラハラを受けている時のボイスレコーダー等があるとより効果的です。
コラム10ではモラハラ夫でお悩みの方に、下記の7項目でお気持ちが楽になりますようお伝えいたします。
1■モラルハラスメントの定義
モラルとは常識の事です。一言で言えば、常識を逸脱している:常識外れという事です。
モラルハラスメントとは言葉や態度で精神的な嫌がらせ、いじめ、迷惑行為をする事です。
「言葉や態度による精神的暴力」と位置付けられています。
ここで重要になる事は、
〝意識的〟と〝無意識的〟とを問わずに加え、
たとえそれが正しい事:正論であってもという事が含まれます。
夫が
「そんなつもりで言ったのではない」
「正しい事を言っているだけ」
「妻の被害妄想だ」
などと主張しても、それを受けた側の妻が精神的苦痛を感じているのであればモラルハラスメントに該当します。
2■モラハラ夫の言動
[1]妻を全否定する
(例1)人格を否定する。
(例2)妻を何もできない駄目人間だと見下す。
(例3)罵声を浴びせる、罵倒する、叱責する、強要する、強迫する。
[2]夫の機嫌が全てとなる
(例1)夫の機嫌に正解はなく、どうする事もできない。
(例2)妻の都合は一切配慮されない。
[3]自由を与えられない
(例1)束縛が酷い。
(例2)妻の行う事にケチをつける。
(例3)自分自身夫はいいが、妻は駄目だといった矛盾が日常茶飯事。
3■モラハラ夫の特徴
□自己愛が強く、自分自身が一番正しい、立派だと思い込んでいる
(例1)優劣を付けたがり自分自身が優位に立ちたい。
(例2)自分の言っている事は全て正しい、他の人も同じ事を言っていると同調をアピールする。
(例3)価値観を押し付けてくる。
□自分の非を認めない
(例1)不倫など確実に本人に責任がある場合でも、元々はお前のせいだと責任転嫁する。
(例2)自分のせいだという自責ではなく、他者のせいだという他責である。
□弱い者には強く、強い者には弱いといった二面性が強い
(例1)周囲の人には良い人だと思われたい。
(例2)他人の評価に敏感である。
(例3)プライドが著しく高い。
□人の話に聞く耳を持てない
(例1)自己主張ばかりする。
(例2)会話が成立しない。
(例3)以前の話と今日の話に矛盾が生じている。
(例4)論点がすり替えられている。
(例5)自分に都合がいいように切り取って解釈をする。
(例6)思い付き発言で論理的思考力がない。
(例7)自慢話が多く、他人の悪口も多い。
□お前のために言っていると押し付けがましい
(例1)重箱の隅を突くような言い回しをする。
(例2)夫の言う言葉をそっくりそのままお返ししたくなる言い回しをする。
(例3)加害者であるにも関わらず、自分が被害者だと主張する。
4■奥様のお悩み
①夫自身が周囲の人には良い夫だと思われていて、私のわがままだと言われる。
②自分(妻)が悪いと言い続けられ、本当に自分(妻)が悪いのかと錯覚・麻痺しています。
③モラハラ夫だと分かっているが、子供の事や経済的な事を考えると離婚に踏み切れない。
5■モラハラ夫のモラハラが改善されない理由
1.モラハラ夫自身が、モラルハラスメント加害者だという事に気付かない。
2.話し合いができない。
3.精神年齢が極めて低い。
6■モラハラ夫の正体
(1)強がりたい。
(2)大きく見せたい、良く思われたい。
(3)過剰に認められたい。
端的に言えば、気の小さな子供染みているだけの人物です。
7■まとめ
モラルハラスメント被害は「気付きにくい」特徴があります。
しかしながら、モラハラ夫なのかも知れないと疑いを持っておられた方は、その疑問が確信に変わったのではないでしょうか。
モラハラ夫をATMだと割り切って生活を送れる方もいらっしゃるのかも知れません。
しかし現実問題としてお子様にも悪影響を及ぼす事を考えますと、ご夫婦として生活を続ける事はとても困難です。
本来であれば夫とは、妻をどこまでも守ってくれる存在です。
子供の頃読んだ童話にもあった「お姫様」のように、妻を大切に扱ってくれる夫もいらっしゃると思います。
深い懐で守ってくれるべき夫から、モラルハラスメント被害を受け、自分にも非があるのではないかとお悩みになられるケースが多く存在しています。
カウンセリングの中でも、事実を確認したうえで「奥様には全く非はありません」とお伝えするケースが山のように存在しています。
2019年度司法統計では離婚原因の3位を占めている事からも、モラハラ夫にお悩みになる方が多く存在している事もお分かりになると思います。
奥様の自由を取り戻すためにも、離婚という選択肢は進展性のある決断だと考えております。
その一方で、モラハラ夫がご自身の意思で「モラハラを改善したい」と、ご夫婦でのカウンセリングで成功に導いた例もございます。
モラハラ夫にお悩みの方へ
お一人お一人の背景は多種多様だと思います。
あなたに必要なカウンセリング、あなたにお合いするカウンセリングで、あなたがあなたらしい人生に辿り着けますよう懇切丁寧にサポートいたします。
コラム10:カウンセリング【モラハラ夫】
心理カウンセラー、研修会・セミナー講師、コーチング
澤田 和彦