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コラム15:カウンセリング【完璧主義】

コラム15:カウンセリング【完璧主義】

2023.03.10
「完璧主義。」
言葉の響きとしてはあまり良くないのかも知れませんね。
その一方で、向上意識の高い人や向上意欲を持って取り組んでいる人。
であればとても素晴らしい人材です。
物事に対して一生懸命取り組んでいる人や、頑張り屋さんと呼ばれる人は周囲の人達からの信頼も厚いと思います。
周囲の人よりも一生懸命に取り組める事は、高い能力として認められているでしょう。
それではなぜ、コラム15で「完璧主義」を取り上げるのかを解説します。

■完璧主義とは
白黒思考や100-0思考(ひゃくぜろしこう)という言葉をご存知の方も少なくないでしょう。
完璧主義と同じ意味として用いられています。
物事に対して白か黒、100か0のように二極化としての思考が強い事を言います。
また完璧主義の特徴として、教科書やマニュアルどおりにしか物事を思考できず臨機応変さに乏しい事や、「○○するべきだ」というべき症候群も含まれます。
それでは二極化思考、マニュアル思考、べき症候群が強いとどんな弊害が起こるのでしょうか。

■完璧主義による弊害
物事には許容範囲があり、60%~80%であったとしても許容範囲として認められる場合もあります。
しかしながら完璧主義であるが故に、80%と高い許容範囲であったとしてもそれを認められない人がいます。
ここで職務上の書類作成をした際、80%の許容範囲であったと仮定します。
本人の書類作成成果が80%と、他者の書類作成成果が80%で、それを認められないケースをそれぞれ分析してみます。

自分自身の成果に納得がいかず、やり直しをする事は本人だけの問題なのでしょうか。
予定時間に間に合わない場合や、周囲の人の業務に支障が出れば本人だけの問題ではなくなります。
他者に対してやり直しを命じた場合、
「許容範囲なのになぜ認めてもらえないんだ?」
「許容範囲なのになぜ許してもらえないんだ?」
「許容範囲なのに嫌がらせなのか?」
という疑問が生じます。
この疑問が積み重なると、信頼関係に亀裂が発生します。
他者の視点に立った場合、職務上の成果を認められない事=自分自身を認めてもらえない。
と受け取れてしまうからです。

■なぜ完璧主義に至るのか
それではなぜ白黒思考や100-0思考が強くなったり、マニュアル思考やべき症候群になるのでしょうか。
元来、世の中には白か黒で決められない事が多いのではないでしょうか。
白か黒で決められない事、すなわちグレーゾーンと呼ばれる事で溢れています。
80%の高い許容範囲を認められない事は、己(自分自身)を認められていないのでしょう。
己を認められない事で、他者をも認められていない事に繋がっています。

人の人格形成や性格について、生まれつきの人格や性格は存在しません。
幼少期や子供時代から思春期にかけての環境が大きく影響します。
端的に言えば、
「自分を認めてほしい。」
「話を聴いてほしい。」
「自分を見てほしい。」
といった環境が大きく影響しています。
カウンセリングをお受け頂く事で、子供時代の環境や背景は多種多様あります。

■ほんの一例
テストで95点を採った時の事です。
「凄く良い点取れたね~、やったね~、良かったね~。」と言われた場合。
一方で「何で95点だったの?後少しで100点だったのに、どこか抜けてる子ね~。」と言われた場合。
同じ95点だったにも関わらず、前者は成功体験で且つ「褒めてもらえた」と受け取れますが、
後者は失敗体験という受け取り方だけではなく「人格を否定された」と受け取るでしょう。
95%の成功と5%の失敗を、あなたならどうのように表現されますか?
この表現の仕方によって潜在意識が植えつけられ、人格や性格の方向性が決まります。

人は成功体験の積み重ねで自己肯定感が高まります。
その一方で、人に認めてもらえない場合に認めてもらうための言動を無意識に行ってしまいます。
それが完璧主義に繋がります。
常に正解を探そうとしている。
常に失敗を恐れている。
常に100点を目指している。
こういった思考に陥った場合、100点でも満足ができなくなります。
100点であれば次は120点、いや150点といったようにエンドレス:終わりがなくなります。

■完璧主義が進み過ぎると
ワーカホリックと呼ばれている仕事中毒になっている人は、間違いなくこの思考に陥っています。
完璧主義になっている本人も、承認欲求として:完璧主義が心地良いと感じていたり頑張っている自分が好きだと過剰に思うのであれば、それは心理的に重い症状と言えます。
たえず全力疾走をしているのですから、本来は心地良い訳がありません。
また頑張り過ぎてしまう自分自身を基準として、他者にも頑張る事を強要していないでしょうか?
他者に自分の価値観を押し付ける事は、モラルハラスメントやパワーハラスメントに繋がる場合があります。
ハラスメント問題にならないためにも、完璧主義が自己満足として一人歩きしないようにしたいですね。

■まとめ
グレーゾーンを上手く活用できる人の特徴は、
「まあいっか。」
「そういう時もありますね。」
「いいんじゃないですか。」
といったように妥協ではなく、自分や他者を認めるという思考に至っています。
ふと立ち止まって、「手を抜く」ゆとりがあってもいいんじゃないでしょうか。
たとえ手を抜いたとしても、許容範囲の60%~80%を成功体験と感じてください。
たえず全力疾走するのではなく、必要性に応じるといった判断能力:取捨選択できる事が大切です。
自分ではなく、相手や周囲の人が何を求めているのか?
相手や周囲に視点を置ける事が重要です。

最後になぜ、コラム15で「完璧主義」を取り上げたのか。
完璧主義に至っている人は、ご自身が完璧主義である事に気が付かないからです。
完璧主義に気が付く事なく全力疾走を続ける事で、自分自身を追い込み過ぎてしまう事や周囲の人に悪影響を及ぼす可能性もあります。
全ての事に対して、本当に全力疾走して100%を求める事が必要なのでしょうか?
落ち着いて俯瞰する、大人の視線も大切です。
どうか完璧主義からの払拭に心を開いて頂けたら幸いです。


コラム15:カウンセリング【完璧主義】
心理カウンセラー、研修会・セミナー講師、コーチング
澤田 和彦

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